38センチウーファーの2ウェイで、本来PAのスピーカーとしてライブなどで使用されるもののようです。
なので能率は100dbで、出力も継続で500ワット、瞬間的には1000ワットまでだいじょうぶです。
実際にものを見ればわかりますが、グリルが金属製とかまあ頑丈に作られています。
底部にはスピーカースタンド用のアダプターまでありますから。
しかしこのスピーカーが1チャンネル25ワットとかのアンプにつないで使ってもすごい力を発揮するんです。
いわゆる生の音を再現します。
ライブの音ではありません。
CDならCDに入っている音をそのまま出してきます。
とっても正直です。
たとえば、ブルーノ・ワルターのモーツァルトの39番をニューヨーク・フィルとの1950年代のモノラル録音と1960年代のコロンビア交響楽団とのステレオ録音を聴き比べると、これまで他のスピーカーでは気にならなかったニューヨーク盤の音の悪さが露呈されます。
要するに録音が悪かったんだと思います。
モノラル対ステレオではなく、逆に晩年のコロンビア交響楽団とのCBSコロンビアによるスタジオ録音は、機材・人共にすばらしい体制で行われていたことを裏付けるような、そんな違いがわかります。
これまでは単に演奏内容だけでニューヨークのほうがいいと感じていた私も、ここまで違いが出てしまうと、たとえ演奏はよくても、このスピーカーで聴くならコロンビアのほうがいいな、みたいなことになってしまうわけです。
もともとこのスピーカーを導入したのは、自宅録音を始めて、しっかりとモニターできるスピーカーがほしいな、ということでリサーチした結果でした。
なので、何の色気もないスピーカーということになります。
でもヘッドフォンにも言えることですが、中音を抜き気味にして、耳に心地よい音楽を作るよりも、フラットな特性で録音作品のあらゆる部分をくみとりたい、というのが私の音楽に対する姿勢かな?と現在は思っています。
2 件のコメント:
質問させていただいてもよろしいでしょうか?
エレクトロボイスのスピーカー(PA?)をご自宅でご使用なのでしょうか?最近オーディオをジャズ鑑賞中心に初めて「高能率スピーカー」に興味を持っております。
ちなみ、Force 1やTour Xは、通常のオーディオ用アンプにつなげられるのでしょうか?私はTriodeの真空管45Wアンプを使っております。
コメントありがとうございます。
Force iを自宅で使用しています。
個人的には大変気に入っておりますが、少々気になることもあります。
まずアンプに接続することはまったく問題ありません。
スピーカーのコネクターがスピコンなので、それがついたケーブルを買うなり、自分でつけるなりすればだいじょうぶです。
私は真空管アンプのことはよくわかりませんが、一般的に言われるような「あたたかい音」というのがあるとすると、それを表現することはこのスピーカーでは難しいかもしれません。
音源をそのまま再生するようなスピーカーなので、正直であると同時に容赦ありません。
私はクラシックもよく聴くのですが、このスピーカーにしてから、古いライブ録音などが聴きにくくなりました。
音の悪さが如実に出てしまうからです。
その反面、録音状態が優れているものは、細部までくっきり再現されます。
ただ、このスピーカーの力を発揮するには、かなり広い場所が必要かな?と。
今正三角形の辺をだいたい3メートルで配置していますが、できれば5メートルはほしいな、という気がします。
ただ、部屋の構造から3メートルが最大可能な距離なのです。
ちなみにうちのアンプはただのPAアンプです。
真空管アンプのような繊細なアンプには、もっと繊細なスピーカのほうが合っているのかもしれません。
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